おそらく、このサイトを訪れて頂いた方の多くは認知症のご家族の介護に疲れてしまった、困っている、辛い思いを日々していらっしゃる方々なのではないでしょうか。
認知症の介護が辛いという人、そうでない人の差は受け取る段階の違いと言います。
段階の違いとは、介護家族は概ね4つの段階を経て最終的には自然に穏やかな気持ちで要介護者を受け入れることが出来るようになるそうです。
多くの介護者は戸惑いから始まり怒りや拒絶、そして受け入れと段階を経過していくと言われています。
この段階のスピードは個人差がありますが、認知症に対する知識と介護のコツを知れば苦しい時期を早く通過できるようになるそうです。
怒りと苦しみを乗り越えて受容する気持ちになれた時、介護者と要介護者の関係はまた新しいものに変わっていくと言われます。
第一段階 とまどい 否定
今まで普通に生活をして頼りにもしていた身近な家族が、どんどんおかしくなっていくのを目の当たりにします。
当然、家族は「どうしてしまったのか?」と戸惑い、悩み、「認知症ではないか?」と憶測は立ちながらも「ウチの〇〇に限って、そんなはずはない!」とどうしても病気を受け入れられない心境にかられます。
そして認知症検査にも尻込みをしてしまいます。
でも、認知症になったであろう本人が一番苦しく、悔しく、怖いのです。
家族は本人の苦しみも解ってあげて頭ごなしに否定したり、問い詰めたりしないように配慮しましょう。
また家族だけで抱え込まないで専門家に相談してり、認知症検査を行うようにしましょう。
認知症の治療も他の病気と同じく早期から始める事が肝心です。
但し、本人の気持ちに配慮を忘れないようにしましょう。
認知症の相談ができる場所
区市町村の認知症相談窓口
各役場によって呼称は異なりますが、高齢者福祉関連の部署が担当していることが多いです。
また役場によってはコールセンターなどを常設して、気軽に電話での相談ができるようになっています。
各市町村のホームページなどを確認してみましょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、原則市町村に1ヵ所以上設置することになっています。
各地域での介護に関する相談窓口で、住み慣れた町で介護サービス、保険福祉サービス、日常生活支援などの相談にのってくれます。
暖かい助言が頂けますので病院とは別に今後の生活について相談してみましょう。
在宅介護支援センター
各市町村から委託された法人で、社会福祉士や看護師などの専門職員が高齢者やその家族に対して相談にのってくれます。
厚生労働省のホームページで推進している相談場所
◆地域包括支援センター
◆認知症の電話相談(社団法人認知症の人と家族の会)
0120-294-456
◆介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)
0120-070-608
第二段階 混乱 怒り 拒絶
認知症の症状が進むにつれて、介護家族がみんな振り回されてしまいます。
また、子供は家を出るなどして夫婦でくらしている場合はパートナー一人で悩むケースが少なくありません。
ここでも介護者(介護している側)の認知症に対する理解が不十分であればあるほど、その心の混乱は深く要介護者(介護されている側)を拒絶するようになります。
最も辛い時期で、家族で介護する場合ではチームで介護して積極的に相談できる所には助言を求めるなどをしていきましょう。
パートナー一人で介護する場合はデイサービスなどに週に何日かは要介護者を預けて、自分の休息の時間を設けるようにしましょう。
第三段階 あきらめ 割り切り
やがて家族は「いくら言ってもダメだ」「どれだけ怒っても本人はケロッと忘れてしまう」など諦めや割り切った気持ちになっていきます。
この時こそいま一度、今までただ健常者に物を言うように叱ったり注意したり指摘したりしていて感情をぶつけてきたスタンスを見直し、一歩進んだ工夫を心がけましょう。
介護の工夫
但し、新たに違う症状が出てくるとまた第二段階に戻ってしまうケースもあります。
やはり認知症に対する理解を深めていくことは不可欠です。
第四段階 受容
認知症のさまざまな症状を見てきて認知症の世界観への理解を深めると次第に受け入れることが出来るようになるそうです。
あるがままの患者を受容します。
こうなるまでには想像を絶する、並々ならぬ葛藤と苦労と悩みがあったことだろうと思います。
しかし先にも書きましたが、ここまで来るのまでのスピードは個人差があります。それは認知症に対する理解の差と介護のコツを得るか否かの差です。
家族、あるいは一人だけで悩まず積極的に専門機関などへ働きかけていきましょう。