認知症かな、と思ったら悩まず受診を
物忘れは老化が進むにつれて誰にでも起こる自然現象です。
ただし、「妻に限って」「親に限って」と過信するのも危険です。
病気の進行に関わる大切な早期治療のチャンスを逃してしまうかもしれません。
では、ただの「物忘れ」と「認知症」とでは何が違うのかを調べて、疑いのある家族を思いやりをもって観察してみましょう。
老化による「物忘れ」と「認知症」による物忘れ
老化による物忘れ | 認知症による物忘れ |
病気ではない | 病気である |
体験の一部を忘れてしまう | 体験したこと自体を忘れてしまう |
忘れてしまった事でもこちらが言えば思い出す | 忘れてしまった事をこちらが言っても思い出さない |
記憶が主に衰える | 記憶だけでなく時間や場所などの認識が弱くなる |
場所が解り、家に帰れる | 場所が解らなくなり、家に帰れない |
物忘れを自覚している | 物忘れを自覚しない時がしばしばある |
他の精神症状は伴わない | 他の精神症状を伴う事が多い |
その他注意して観察すべき事
➀ 考えるスピードが著しく遅くなった
➁ 2つの事柄を同時にこなせない
➂ 日常にないイレギュラーな出来事への対応が出来ない
➃ いつも探し物をしている
➄ 置き忘れが頻繁にある
➅ 料理などの段取りが計れない
➆ 第三者の前では急にしっかりする
記憶力以外にも上記のような変化が見られたら受診を考えましょう
認知症は早期に治療を行うことでその後の進行にも介護にも良い影響が
初期の段階で薬やその他の対策を始めることが、後々の進行にも良い影響を与えると言います。
家族に認知症の疑いを感じたら、とにかく早めに専門医を訪れましょう。
認知症になったからといっても直ぐに全ての社会生活が出来なくなる訳ではありません。
それまで行ってきた様々な家事の役割を取り上げてしまうなど、社会生活の場を奪ってしまうのは逆効果で、脳の活性化のチャンスを奪ってしまい、進行を早めるなどの悪い影響を及ぼしてしまいます。
初期の段階で薬やその他の対策を始めることが、後々の進行にも良い影響を与えると言います。
投薬治療以外にも運動療法、音楽療法、思い出を語る回想療法なども脳を活性化させて進行を遅らせる効果があります。
その為にも要介護者が早期で家族とも意志の疎通がとれるうちに、認知症であることを理解することが大切です。
また、後に症状が進んでいても周りの家族が認知症を正しく理解をしていれば、動揺も少なく、適切な判断と行動をとっていけるようになります。
また、「認知症になると完治はできない」と思われがちですが、認知症の中には感知できるものもあります。
先ずは、家族がどのタイプの認知症になっているのかを突き止めるためにも専門医の診断をするべきです。