物を拾っては集めてしまう
散歩に出ては何か拾ってきてしまう。部屋や庭はガラクタでイッパイになってしまう。
また、石や貝殻など特定のものの収集行動の場合もあり何時間でも飽きずに拾い集めている。
★ 認知症の人の気持ち
・ これがそばにあると安心するんだ
・ これを拾い集めているときは夢中になれる
・ これもどれもいつかは役に立つのに何で捨てるなんて言うの!
・ みんな思い入れがあるものばかりなのに何で解ってくれないの!
はた目には理解できないような収集行動は認知症の人の脅迫行為(不安や不快な気持ちからくる行為)の一つと考えられています。
つまり家庭に心のよりどころがないため、その代わりに物を拾い集め不安感を落ち着かせていると考えられるのです。
また、外ばかりでなく、家の中でも拾い集める人もいます。
● 家族にとってはガラクタでも本人にとってはとても大切なものです。
⇒ 本人の目の前で処分するのは禁物です。無理やり取り上げてしまうと興奮して攻撃的になることがあります。
● 片付けるときは本人が部屋にいない間に減ったことが解らないように少しづつ整理していきましょう。
● 人の家の庭先などから黙って物を持ってきて来たり、店の商品をお金を払わず持ってきてしまう場合もあります。
⇒ 近所の家やお店などには事情を話し、理解と協力をお願いします。当然、持ってきてしまった物は必ずお返しする、代金を支払うなどの事はします。
デイサービスに行くのを嫌がる
デイサービスに行き始めたのに送迎が来るとかたくなに「行かない」と言い出し聞かない。
★ 認知症の人の気持ち
・ あんな幼稚園みたいなところに俺が行けるか!
・ 自分が邪魔であんなところに預けようとしているんだ
・ 自分が居ない間に浮気相手と合うに決まっている、自分が居ないすきにお金をとられてしまう
不安要素を取り除けるように日頃の接し方も見直すことも大切です。
● デイサービスも施設によってサービスが異なりますので本当に本人が嫌がるのであれば要望を伝え対処してもらうか他の施設も探してみるのも方法です。
● 本人が施設に馴染めるまで家族も一緒に付き添うことも考えましょう。
● 家族の誰かが介護サービスに否定的でいると認知症患者もその違和感を感じてしまいます。
車の運転をやめようとしない
認知症と診断された時点で今の法律では運転は禁止されています。
容認して損害を与える事故を起こされたときには家族の監督責任も問われてしまうでしょう。
★ 認知症の人の気持ち
・ なんで運転をしてはいけないんだ! 俺はいたって正常だよ!
・ 今まで何十年も無事故で運転していたのだぞ!バカにするな!
認知症の人は自分の病気に対して自覚が薄い方が多くいます。
また、交通の便がわるい地方では日用品の買い物、通院などでも車の移動が不可欠となる場合も少なくないため、家族が容認するケースがあります。
● 道路交通法改正によって今は認知症と診断された方の運転は禁止されています。
● 診断した医師にも法律の趣旨を徹底させる義務が課せられていますので、本人に対してきちんと説明してもらいましょう。
● 診断書に「車の運転は禁止」と書いてもらい、本人が運転をしたいと言いだしたらその診断書を見せて諦めてもらうようしましょう。
家族を他人と間違える
家族、それも一緒にくらしている人に対して「どちらさま?」と言ったり、亡くなった母親と娘をまちがえたりします。
・ 知っている人には違いないけど誰だっけ?・・思い出せないな~
・ あれ、この人は誰なんだ?! 不安だな~
認知症の記憶障害は新しい記憶から失われていくのですが、進行がすすむと古い記憶も失われ、家族の関係があやふやになっていきます。
● 人物誤認の背景には「人物の見当識障害」や「失忍」、「妄想や幻覚」などがあります。
● 他人と間違われると悲しくなるものですが、出来るだけ間違われたまま話を合わせてあげましょう。
● その場を離れて、例えばまた夕方に会ったときには「人物誤認」がなくなっているケースも多いようです。